スマートフォン市場において、「性能」と「デザイン」の融合を追求し続けるブランドがある。REDMAGICだ。筆者は以前「REDMAGIC 10 Air」スマートフォンや「Astra」タブレットに触れ、ミドルレンジという枠組みの中で限界までパフォーマンスを引き出す同社の姿勢にすっかり魅了された。そして今回、最新モデルである「REDMAGIC 11 Pro」と、その廉価版とも言える「REDMAGIC 11 Air」をテストする機会を得た。両機種を通じて見えてきたのは、他社からの乗り換えを本気で検討させるほどの圧倒的なポテンシャルと、いくつかの明確な課題である。
洗練を極めた独自UIと上質なデザイン
まずは上位モデルの「11 Pro」から見ていこう。箱を開けた瞬間に伝わってくるのは、これまでの端末とは一線を画す特別なオーラだ。直線的で角ばったフォルムは無駄なスペースが全くなく、全体として非常にエレガントにまとまっている。背面には「Nothing Phone」を彷彿とさせる透明感のあるガラスパネルが採用されており、内部構造が完全に透けて見えるわけではないものの、ガジェットとしての美しさを際立たせている。
電源を入れ、数分でGoogleアカウントとの紐づけを終えると、さらに驚かされることになった。REDMAGIC独自のカスタマイズが施されたAndroid OSの完成度である。iOSの洗練さとAndroidの柔軟性の「いいとこ取り」をしたかのような仕上がりで、通知シェードの引き下げやアプリドロワーの開閉といった何気ないアニメーションすら美しい。最新バージョンのAndroidもデザイン面で大きく進化しているが、視覚的な表現力においてはこの独自UIが頭一つ抜けている印象を受ける。
水冷システムがもたらす驚異的なパフォーマンス
11 Proの真骨頂は見た目だけではない。「Snapdragon 8 Elite Gen 5」という最新チップの性能を余すところなく引き出す、本格的な水冷式冷却機構を内蔵している点だ。マイクロポンプによって端末内部に冷却液を循環させるこの仕組みは、一見すると奇をてらったギミックに思えるかもしれない。しかし、高負荷なゲームプレイ時には極めて実用的な意味を持つ。
実際、負荷検証のためにアクションRPG「ディアブロ イモータル」をプレイしてみたところ、その効果は絶大だった。筆者が普段愛用している、約200ドルも高価な「Pixel 9 Pro」すら凌駕するほどの圧倒的なスピードを見せつけたのだ。ラグは一切発生せず、グラフィックもサウンドも最高品質を維持し続けた。さらにプレイ中、背面のガラス越しに冷却液が循環している様子をはっきりと視認できた。このシステムのおかげで、本体の過熱を防ぎ、プロセッサを常にフル稼働させることができる。
499ドルという価格破壊。廉価版「Air」の実力
一方、ベースモデルとなる「11 Air」は、499ドルという価格設定が最大の武器である。上位版から削ぎ落とされた要素はあるものの、ハードウェアの基本スペックは驚くほど高い。切り欠きのない6.85インチの高解像度ディスプレイ、7000mAhという大容量バッテリー、そして80Wの有線急速充電機能を備えている。
プロセッサには「Snapdragon 8 Gen 5」を採用。11 ProのElite版からは一段階下がるものの、「レッド・デッド・リデンプション」や「クレイジータクシー」といったゲームを瞬時に起動できるだけのパワーを十分に持っている。「Air」という名称ながら重量は207gあり、決して薄型軽量というわけではない。これはあくまで「Proからのステップダウンモデル」という意味合いなのだろう。水冷機構やワイヤレス充電、イヤホンジャックは省かれているが、代わりに冷却ファン、カスタマイズ可能なLEDロゴ、そしてゲームスペースを即座に起動できるショートカットボタンが搭載されており、ゲーミングスマホとしての要所はしっかりと押さえている。
ソフトウェアの課題と意外なカメラ性能
ハードウェアのコストパフォーマンスが光る一方で、11 Airを日常のスマートフォンとして使い始めると、いくつかのソフトウェア的な粗が目につくようになる。
Google Discoverの代わりとなる独自のフィード機能や、誤字が見受けられる壁紙アプリなど、全体的に洗練さを欠く部分がある。また、カメラ撮影時にデフォルトで適用される目障りな透かしロゴは、わざわざ手動でオフにしなければならない。以前のProモデルで煩わしかったブラウザ起動時のポップアップ広告が消えたのは良い改善点だが、ソフトウェアアップデートの提供期間が3年と短いのは懸念材料だ。GoogleやSamsungのフラッグシップ機が7年間のサポートを謳う中、749ドルの11 Proが3年しかサポートされない事態に比べれば、499ドルという価格のおかげでまだ納得はできるが、それでも十分とは言えない。
もっとも、ゲーミングスマホでありながらカメラ性能は予想以上に健闘している。5000万画素のメインカメラと800万画素の超広角カメラという構成だが、友人のケビンと夕食を共にした際、薄暗い店内でシャルキュトリーボードを撮影してみると、チーズのキューブやパン、プロシュートの質感を細部までしっかりと捉えることができていた。全体を通して見れば、両モデルともに価格以上の価値を提示する意欲的な端末であることは間違いない。