レノボが放つゲーミング端末の魅力:持ち運べる「Legion Tab」から高コスパなノートPCまで

Androidタブレット市場は時に玉石混交の様相を呈するが、時折大本命と呼べる素晴らしいモデルが登場する。今年のCESで予想外の注目を集めたレノボの第3世代「Legion Tab」もまさにその一つだ。8.8インチの画面を備えたこのゲーム特化型タブレットは、「iPad mini」より一回り大きいものの、価格は500ドル前後(日本では税込7万9860円、iPad miniは6万9800円)と十分に競合する範囲に収まっている。実際に数週間使い込んでみると、堅牢な造りや高い性能が見事に融合しており、米CNETのエディターズチョイスに選出されるのも納得の完成度だった。

絶妙なサイズ感と妥協のないディスプレイ まず特筆すべきは、その絶妙なサイズ感である。対角8.8インチという大きさは、大型スマートフォンよりも圧倒的に視認性が高く、目が疲れにくい。一方で、一般的なエンタメ向けの大型タブレットのように長時間手に持って重さを感じたり、スタンドに頼ったりする必要もない。「Razer Kishi Ultra」のような優秀な外付けコントローラーを装着すれば、極上のモバイルゲーム環境が手軽に完成する。

ディスプレイの美しさも目を引く。2.5K(2560×1600)解像度のタッチスクリーンは最大165Hzの高速リフレッシュレートに対応し、DCI-P3色域を98%カバーしている。iPad miniと比較すると、画面サイズ自体が大きい上にベゼルも極めて細いため、没入感ははるかに高い。また、Dolby Atmos対応のステレオスピーカーも搭載されており、より大型の上位機種には及ばないものの、このサイズとしては十分に優秀な音質を実現している。

圧倒的なパフォーマンスと拡張性 性能面ではQualcommの「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載しており、現在でもトップクラスの処理能力を誇る。最高設定で複数のゲームをプレイしても、遅延やカクつきを感じることは一度もなかった。メモリーは12GBのDDR5X、ストレージは256GBの1モデル展開となっている。最近のゲーム容量の増加を考えるとmicroSDスロット非搭載は一部のユーザーにとって痛手かもしれない。レノボは中国市場向けにスロットを備えた第4世代を展開しているが、現時点でグローバル展開の予定はないという。

バッテリー容量は6550mAhで、68Wの急速充電をサポートする。USB-Cポートを2基備えている点もユニークで、縦持ち時の下部(横持ち時の右側)ポートは充電専用のUSB 2.0、左側面(横持ち時の底面)のポートは最大10Gbpsのデータ転送と映像出力に対応するUSB 3.2となっている。さらに、外部モニターやキーボード、マウスを接続すれば擬似的なデスクトップ環境として使える機能もあり、本格的なノートPCの完全な代わりとまではいかないものの、役立つ場面は非常に多い。

カメラ性能と気になるソフトウェアの現状 タブレットのカメラに過度な期待を寄せる人は少ないかもしれないが、背面の13MPメインと2MPマクロ、前面の8MPカメラは予想以上に健闘している。ハイエンドスマホの代わりにはならないものの、外出先でのビデオ通話や、手元にカメラがない時のちょっとしたスナップ撮影であれば全く問題ない画質だ。また、海外版ではスクリーンプロテクターやスタンド一体型カバーが同梱されており、コストパフォーマンスの高さに大きく貢献している(日本版は標準同梱なし)。

ハードウェアで唯一惜しまれるのは、指紋認証センサーが省かれている点だ。顔認証は利用できるが、パスワード管理アプリなどの生体認証に指紋が使えないのは、現代の端末としてやや不便に感じる。

ソフトウェアに関してもいくつか課題が残る。OSはAndroid 14を採用しているが、プリインストールされた不要なアプリや広告が多く目に付く。165Hzの画面のおかげで動作自体は非常に滑らかであるものの、549.99ドルもする端末としては少々煩わしい。くわえて、アップデートの遅さも懸念材料だ。OSは3回、セキュリティは4年の更新が保証されているが、Android 16のリリースが迫る今になってもAndroid 15の配信時期すら未定となっている。迅速なソフトウェア更新はあまり期待しない方がいいだろう。

本格的なPCゲームを求めるならノートPCという選択肢も 外出先でのゲーム体験において、バックパックにすっぽり収まりバッテリー持ちも良いLegion Tabが最高の選択肢の一つであることは間違いない。しかし、より本格的なPCゲーム環境を求めているユーザーに対して、レノボはモバイル端末以外でも非常に魅力的な選択肢を用意している。

もし、手頃な価格でスペックの充実したゲーミングノートPCを探しているなら、「Lenovo LOQ 17IRX10」は見逃せない一台だ。現在、米国のB&Hでは通常価格から300ドル引きの800ドルという破格で販売されている。

1000ドルを大きく下回る価格でありながら、第13世代のIntel Core i5-13450HXプロセッサー、Nvidia GeForce RTX 5050グラフィックス、16GBのDDR5メモリー、そして512GBのSSDを搭載している。近年のPCパーツ、特にメモリーやストレージの価格高騰を考慮すると、800ドルでこれだけの構成が手に入るのは驚異的と言っていい。

17.3インチのIPSディスプレイは1080p解像度こそ標準的だが、165HzのリフレッシュレートとNvidia G-Sync対応によって、滑らかで美しいゲーム映像を楽しめる。輝度300ニトのアンチグレア仕様は室内でのプレイに十分な明るさを確保している。映像出力対応のUSB-CやHDMI 2.1、4基のUSB-Aポート、バックライト付きキーボードなど、インターフェース類も抜かりない。