オーストラリアの研究者が鳥の数を数えるためにドローンを活用


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オーストラリア南部、アデレード近郊のウィランガでは、ドローンが一風変わった目的で研究者たちに利用されています。海岸部に集まるアジサシを数えるために、ドローンを利用しようというのが研究者たちの考えです。

研究に携わるのは、アデレード大学で生物科学を専門に研究しているジャロット・ホジソン氏です。アデレード大学はオーストラリアで3番目に古い大学で、これまでに5人ものノーベル賞受賞者を排出しています。

研究者たちがドローンを使用する理由はいくつかありますが、その1つに、調査対象エリアへのアクセスが効率的である点が挙げられます。徒歩では到底たどり着けないような場所も、ドローンを利用すれば簡単に調査ができます。

ドローンを利用すれば、足場の悪い海岸部に生息する鳥たちを調査できるだけでなく、より広い面積を撮影でき、大幅な時間短縮に繋がるのです。

ドローンはこれまでに、ゾウ、アザラシ、さまざまな鳥類を観察するために利用されてきました。しかし、野生動物を数えるためにドローンが用いられた例は少なく、精度についても疑問がありました。そのため、ホジソン氏は精度を検証するために1つの実験を行いました。

ホジソン氏は、大量のアジサシの模型を海岸に並べ、ドローンの精度を検証する事にしました。模型のアジサシは本物と違って静止しており、数えやすいため、実際の利用を想定した実験には至らない可能性があります。しかし、今回の実験でホジソン氏が検証したかったのは、まずはドローンを使って、どれだけ多くの鳥を数えられるのかという点でした。

大量の模型のアジサシを使い、10か所のアジサシの群れが作られました。群れは、最小463匹のものから、最大1,017匹のものまであります。ドローンを用いて撮影がなされた後、そのデータは特殊なアルゴリズムで分析され、アジサシの数が割り出されます。

結果、この実験は成功しました。地上から数えるより、ドローンを使って数えた数値のほうが、はるかに正確だったのです。実際の鳥は移動する場合があり、敏感な鳥はドローンを恐れて逃げ出す可能性もあります。しかし、それは地上で人間が鳥の群れに近寄った場合でも同じ事が言えるため、精度に支障が出る要因とはなりません。

研究者たちが重視しているのは、どれだけ生態系に影響を与えないで調査をするかという事です。ドローンはその点、従来の方法よりも明らかに優れています。ホジソン氏は、ホッキョクグマの生態調査にもドローンが使用されている事などを指摘し、生物科学の分野でも、ドローンが有効な手段である点を強調しました。

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