<アイスランド>ドローン運送サービスのスタートアップが活況に見える理由

ドローンの主な用途といえば、空撮(調査)と輸送です。

こと物資の運搬に関してはAmazon社やDHL社、UPS社やウォルマート社などの流通・販売大手企業も強い関心を持ち、独自にドローンを利用した輸送サービスの研究・実践をすすめています。

しかし同時に、各国の各都市では必ずしも大企業の主導でないドローン輸送サービスの試験運用が行われる傾向があります。

 

都市部でドローンによる自動配送ネットワークを整えるには、いくつか大きな課題があり、複数の要請をクリアするために必要なのは「簡素化・安定化された配送ルート」の選定であると考えられています。

多くの人々が行き交う都市の上空で運送ドローンの安定した運航を実現するという安全上の観点はもちろんですが、バッテリーの持続時間やドローン自身の重量、風量や天候などから、ドローンの配送範囲は自ずから制限されます。

また、住宅やオフィスに品物を届けるには木や電線などの障害を確実に回避する必要がありますが、ドローン自身(AI)の判断力だけでそれを成し遂げた企業は、現在のところ存在しない、と言っても過言ではありません。そこで大部分の企業は「簡素化・安定化された配送ルート」の確保に焦点を当ててドローン配送サービスを立ち上げることになります。

 

イスラエルのスタートアップ企業であるFlytrex社がアイスランドの首都レイキャビク市で立ち上げたドローン配送サービスもまた、その範囲は限定的です。

同社のサービスは今年8月から、ピザなどのホットフードやスマートフォンなどの電子機器を対象としたドローン配送サービスの試験運用としてスタートしました。

現在のところ、アイスランドにおいてレストランや小売店、食料品店のオンライン市場と配送取引を扱うオンライン商社であるAha社の代理店として、特定の顧客からの注文に対応しています。

 

Flytex社の運送ドローンはDJI社の製品を改造したものであり、目的地についても着陸することはなく、空中でホバリングしたままケーブルを使ってパッケージを降下させるシステムを採用しています。これにより、地上の人や動物などにドローン本体やローターが接触する危険性を避けた「簡素化・安定化された配送ルート」を実現しようとしています。

また、同市は湾を囲むように発展してきており、湾の対岸に人やものを移動させる時は30分ほどかけて大きく迂回するのが常でしたが、運送ドローンは湾を横切ることでわずか10分で品物を運搬することを可能にしました。

そしてこの「湾を渡る」というルートもまたオートパイロット操作された運送ドローンにとっての「簡素化・安定化された配送ルート」そのものであり、サポートの人員を少なく抑えることができています。

 

同社は8月の試験運用開始当初、1日あたり最大20便程度の配達を1台から2台の運送ドローンで実行する予定でしたが、同時に140便から50便まで拡大することまでも想定していました。Flytrex社はすでにアイスランド政府の関係部署とすでに協力関係を結び、今後は配送範囲そのものの拡大をも視野に入れています。

 

いずれにせよ、ドローンを利用することが費用対効果の高い配送サービスとして成功するかは、各都市にその需要があるかにかかっています。いつかレイキャビク市の湾に巨大な橋がかかったならばドローンによる配送は役目を終えるかもしれない一方で、現在のレイキャビク市と同様の事情を抱える都市においてはFlytrex社が蓄えたノウハウを基にしたドローン配送サービスが歓迎されるかもしれず、その対象となる町は世界中に存在しています。

 

Amazonなどの巨大資本によるドローン配送研究とは別に、スタートアップビジネスとしてドローン配送サービスの立ち上げが活況なのは、このノウハウ転用の可能性に賭けている起業家が多いからではないでしょうか。

 

『本記事はリンク先の記事を参考に作成されました 参考:http://blogs.discovermagazine.com/lovesick-cyborg/2017/09/22/friendly-neighborhood-delivery-drones-target-iceland/#.Wc7x_9OrSHo』

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