<中国>変革するドローン活用方法

中国南部広東省、東莞市の小さな工業地区では、住民が不快な臭いを環境保護局に報告すると、8種の大気汚染物質を検出するセンサーを搭載したドローンがデータ収集のために出動することになります。

約20分間周囲を旋回した後、ドローンは収集した情報を色別にマーキングされたデジタルマップとして環境検査員のモニターに送信し、煙突を隠しているプラ​​スチック工場が汚臭の原因であることが突き止められました。

世界最大の製造拠点の一つである東莞では、靴からスマートフォンまであらゆるものを製造する30万社以上もの工場が香港と同程度の広さの地域に詰め込まれており、約200名の環境検査員が工場による環境汚染を監視しています。

地元の環境保護局によると、汚染を検出する無人機を使用することで同市は数十万の汚染工場を特定・処罰し、2015年には104日間であった光化学スモッグの発生日が、翌年にはわずか12日間にまで激減したとのことです。
また、ドローンは公害の検出だけでなく、抑制にも用いられています。

中国は世界最大の花火生産者であり、毎年100万トン以上もの花火を生産しています。

中国では慶事を膨大な量の花火で祝うことを長らく伝統としてきましたが、花火は二酸化硫黄をはじめとした大気汚染物質を大量に排出し、特に花火の使用が集中するシーズンである冬には大気汚染のレベルもピークを迎えることになります。

広東省の首都・広州では、「花火」に代わることを示すため、100台のドローンによるパフォーマンスが行われました。自動操縦ドローンの編隊飛行は高度に同期されたフォーメーション形成により、空間にキャラクターを形作ることが可能となっており、ドローンの製造・販売を行うEhang社は「人々の環境保護意識が高まるにつれ、彼らは伝統的な花火よりも安全で清潔なだけでなく、よりエキサイティングで美しい"ドローン花火 "に期待を寄せるようになるでしょう」とコメントしています。

また、北京を拠点としてドローン関連技術の開発に携わっている研究者は「広東省の主要なドローン生産拠点である深セン市だけでも300以上の企業がドローン運用技術の新しい方向性を探っている。多くの国では高度なドローンの技術・利用法は軍によって最初に採用されることが常だが、中国では民間が先行する可能性がある」と述べています。

中国には世界最大のドローン生産拠点として、新しい技術を反映した製品をスピーディに、しかも低価格で量産することができる条件が整っていると言うのです。
しかし、ドローンというデバイスに問題がないわけではありません。中国においてもドローンが空港周辺を無許可で飛行し、一時的に空港の閉鎖を引き起こす事例が数多く発生しました。この状況を収めるために民間航空局は新しい政策を導入し、趣味で所有・利用するドローンに関してもすべてのユーザーに利用者登録を要求することになりました。

ドローンに期待されているもうひとつの主な用途は農業です。中国北部の黒竜江省揚州郡の農家である劉氏は、「今年になってドローンの流行が起こり、どこにいてもドローンを見かけるようになった。ドローンは農薬や予防薬を作物に散布するなど、人間にとって有害な作業を肩代わりしている。昨年には見られなかった光景だ」と語ります。

黒龍江省は1300万ヘクタール以上の肥沃な農地を有し、中国の他のどの州よりも多くの農産物を生産していますが、中国の他の多くの地域と同様に、より良い賃金と楽な仕事を求める若年の労働力が都市部に流出し、労働力の不足に直面しています。

そんな中で、ドローンでの農作業が可能な操縦者は月に1万元以上を稼ぐことも容易な状況となり、プロのドローン操縦者になるべく訓練する村の若者の数も、昨年のわずか1人から今年は20人に激増しました。

農作業にドローンを採用することは農薬を散布するための人員を大量に雇用することを避け節約になるばかりか、旧来の農薬散布用の飛行機に比べるとドローンは低速かつ低高度で飛行するので、農場の隅々まで農薬を散布することができます。
劉氏はやがてドローン農作業には自動操縦すらも導入されうることに触れ、「私の村で起こったことは、中国の多くの他の村でも起こりうる」と付け加えました。

中国におけるドローンの用途の拡大と利用者の急速な増加は、市場に大きな可能性を生み出しています。今年発表された深セン政府の推定によると、中国国内のドローン市場は2000億元(294億ドル)に成長すると見込まれています。

 

本記事はリンク先の記事を参考に作成されました 参考:http://www.scmp.com/news/china/society/article/2105798/how-chinas-cutting-edge-drones-are-transforming-nation』

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